理事長ご挨拶
 憲法はその第8章を「地方自治」としました。992条に「地方自治の本旨」という言葉が出てきます。本旨は「本来の趣旨」という意味でしょう。
 そこでは、それぞれの地域に根ざした国の主権者である住民の意思によって決めることが求められています。
 しかし、この住民意思の実現、団体意思の実現は、現実的には意外と難しいもののように思えます。むしろ所与の前提というより、多面的な課題に絶えず我が身を振りかえりながら、目指すべき目標のようにも思えます。
 「我思う、故に我あり」(デカルト)の近代意思主義の大河の流れの一つとしての住民の意思決定・地方団体の意思決定というものが、我が国の現実の下では様々に制約されており、なかなか思い通りにならない。そうした現実に目をそむけずに、果敢に立ち向かうことが常に求められているのではないでしょうか。
 
 明治21(1888)年の人口調査では、新潟県は全国1位の166万人で、東京の135万人を大きく上回っていました。穀倉地帯という生産力と北前船就航路という交易力を確保していたからではないかと思われます。
 しかし、新潟に住み続けて、改めて実感することは、そのような生産力や交易力の便宜以上に、この地の人々の「人間力」です。すなわち人間の穏やかさであり、忍耐強さです。
 こうした新潟県の誇るべき「人間力」が、本来的に生かされる社会の実現に寄与することが、当センターの使命であると考えます。
 当センターは、新潟県内の大学との連携や行政・議会経験者などの識者を中心にスタッフの充実に努力し、様々な地域ニーズに応えることのできるシンクタンクを目指し、活動・運営を行っているところです。
 社会の姿が急速に変化する現代において、地域的視線で見つめ、地球的規模で考える研究センターとして、使命を果たしていかなければと考えております。
 公益社団法人への移行にあたり、事業内容を見直し社会のあらゆる課題に対応するセンターへと歩み始めています。
 皆様からの信頼を高め、地域力・人間力が発揮できる社会実現への我々の挑戦にご理解とご協力を心からお願い申し上げます。